私を、好きでいてくれた人
高校三年の春。
クラスの発表の貼り出しを見に行って、俺は自分の次に自然と早瀬の名前を探していた。
「……え、同じクラス?」
「やったじゃん!」
「えっ!?」
驚いて俺が振り返ると、後ろにいたのは古田だった。
「俺と同じクラス初めてじゃんっ」
「えっ!?古田も?」
「えっ?…て、じゃぁおまえ誰探してたんだよ?」
「え…?…そう!おまえっ」
「ごまかすなよなぁ〜小林っ」
「いや、本当だって」
「どうだかなぁー」
そう言いながら、俺は早瀬と同じクラスに入った。
早瀬とは、席が近くなったこともあり、俺達は普通に「おはよ」と挨拶していた。
けど、同じクラスになって気づいた。
早瀬の視線の先も古田に向いていることに…。
この二人…両想いなんじゃん。
そう思っていた頃、俺には気がかりなことが…。
少し席の離れた古田のところへ行った。
古田の席から、早瀬の座ってる後ろ姿を見て、俺は口を開いた。