私を、好きでいてくれた人

「なぁ、おまえ告らねーの？」


「えっ…？」


「早瀬だよ、あれからなんにもアクション起こしてないじゃん」


「あー…うん、片思いなんてこんなもんだよな」


「なんだそれっ、おまえイケメンなんだし？告ったら早瀬もＯＫしてくれるんじゃねーの？」


「……どうだろうな〜つうか、そっちはどうした？」


「なにが？」


「誰とクラス一緒で喜んでたんだよ？」


「まーたその話かよ？だから、おまえだって言ってるじゃん」


「いや俺じゃねーだろ、あの反応は…言えよ？それとも言えない相手なのか？」


「え…？」


"言えない相手？”


「そんなんじゃねーよ…とにかく頑張れよ？な？」


「あぁ…サンキュ」


そう言って俺は古田の背中を叩いた。


なんだろう……古田にはどうしても、好きな人が一緒だと言えなかった。


それに、先に早瀬を好きになったのは古田だ。


早瀬も古田が好きで…。


そんなことが、頭をよぎった。


けど、それからも古田は早瀬に何のアクションも起こさないでいた。