私を、好きでいてくれた人

そのうち、俺も自分の気持ちがあるからか…古田に強く言えないズルい自分がいた。


ーーある日。


授業中居眠りしていた俺は、先生に出された課題をする為教室に残っていた。


「くそっ…みんな帰りやがって、誰か教えてくれたっていいじゃんかよっ」


そうブツブツ言いながら、俺が問題に頭を抱えていると、教室の扉が開く音がして振り向いた。


「あれ…小林くん?」


「早瀬…?」


教室に入ってきたのは早瀬だった。


「早瀬、帰ったんじゃねーの?」


「ううん、図書委員の日で、今から帰るところ」


「あー…そうなんだ」


そういえば、早瀬の席にまだ鞄がかかっていた。


そんなことにも気づかず問題を解く俺、いや…寝てた俺に感謝?


だって今、早瀬と話せるし。


そして早瀬は自分の席にあった鞄を肩にかけると、俺の方を向いた。


「小林くんは?まだかかりそうなの?」


「あー…もう終わるとこだな?」


「本当?」


そう言って早瀬が俺の席の前に立ち、問題を覗く。


「……っ!」


なんでこんな距離に早瀬が…。


夏だし、髪もポニーテールにしてるし、ヤバイ…。


そう思っていると、頭のいい早瀬が問題を指さした。


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