私を、好きでいてくれた人
「……っ」
やっぱり、早瀬は古田のことが好きなんだ…。
でも、さっきの古田の表情はあんまりいつもと変わらなかった。
友達が好きな人といても、気にならなかったのか?
俺の気持ちには気づいてないだろうしな…。
「早瀬…サンキュ、もう終わるから」
「あ…うん、私も…帰るね?」
「おうよ」
「……ぷっ」
「え…?」
「ううん、なんでもない、それじゃまた明日」
「また明日」
そう言って早瀬も教室から出て行った。
なんで笑われたんだ?
まぁ…いっか?
その後、古田達と合流しても古田は特に何も聞いてこなかった。
”なんで早瀬といたんだ?”
”なに話してた?”
とか、色々言われるかと思っていた。
それから間もなくして、古田が早瀬を目で追うことはほとんどなくなっていった…。