私を、好きでいてくれた人
ちょっと待って、小林くん元カノいたって言ってたよね?
大学の頃ってことは、この車の助手席に元カノの人も座ってたのかな…?
ふと、そんな疑問がよぎり、私はハンドルを握る横顔の小林くんを見る。
「……え?なに?」
私の視線に気づいたのか、信号待ちで小林くんが私の方を見る。
「あ…ううん、なんでもないんだけど…」
「なに?気になるんだけど…」
「うーん…」
こんなこと聞いたら、小林くんはどんな反応するんだろう?
迷惑かな?
さらっと、軽い感じで言ってみようかな…うん。
「あー…あのね、大学の時からってことは、前付き合ってた子とかも、乗ったのかなぁ〜って…」
「え…?」
「ただ単に気になったっていうか…それだけ?」