Thidori(そもそも幽霊って成仏するの?)入部編
白い光が全面に映し出して眩しいよ。パチクリパチクリと二回瞼をとじて、光の奥を覗き込むと、わたしは凄い勢いで光に吸い込まれていった。

なんなのよ、もう。一体ここはどこよ。そう思っていたら不思議な光景が目にうつる。

なんと、呼吸器をつけたわたしが寝てる!なになに、これが幽体離脱ってやつ?戻れないと死ぬってパターン?嘘でしょ。

「ほんとうよ」

誰?声のほうに振り向くと二十代半ばくらいの綺麗で派手な服を着た女性がわたしの隣でプカプカと浮いている。

幽霊?「いやぁー」幽霊怖い、幽霊怖い、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。わたしは膝を抱え丸くなった。

「ちょっとあんた、失礼じゃない?」

女性がなにをもってわたしを失礼と言ったのかわからないのでわたしは恐る恐る聞き返す。

「失礼ってなにがですか?」

「その態度が失礼だと言ってるのよ、言っとくけどね、今はあんたも幽霊だから」
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