春〜僕の手を、離さないで〜



「春香?大丈夫?」

春希くんに言われて、私は自分が泣いているんだと気付いた。慌ててその涙を拭う。

「気分悪い?大丈夫?」

「ごめん!昔のこと、色々思い出しちゃって……」

私がそう言うと、春希くんは私を抱きしめてくれた。彼は、とても優しい。いつも私に寄り添ってくれて、愛を教えてくれる。キスも、ハグも、その先のことだって、彼はいつも優しい。

「本当にごめんね。今は幸せなのに、泣いちゃうなんて……」

「大丈夫、気にしないで。いっぱい泣いて?」

「ごめん……ごめん……」

私の涙が、春希くんの服を濡らしてしまう。それでも春希くんは優しく微笑んでくれていて、愛されることが幸せだと何度も私に教えてくれるんだ。

しばらく泣いた後、私たちはまた歩き出す。そろそろサンドイッチを二人で食べようかな。でも、春希くんの作ったものの方がおいしいかな?彼はいつも、「おいしい!!」って大げさなほど喜んで食べてくれるけど……。
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