お兄ちゃんへ
もう一度声をかけようとしたとき、ソファーで横になってるお兄ちゃんの姿が少しだけ見えた。

背もたれのせいですぐには分からなかった。

そっと近づいてみる。



お兄ちゃんは、スースーと微かに寝息を立てながら寝ていた。


無防備なその姿に思わず笑みがこぼれる。


お兄ちゃんも疲れたんだね。

お疲れ様。


180センチもある身長のせいで、長い手足がソファーからはみ出てる。

その妹の私は、158センチとなぜか平均的だ。


窓から入る風に、やわらかい黒髪がふわりと揺れた。

……



私よりも色白の肌は、時々引き寄せられらるように触れたくなってしまう。


わし鼻の高い部分を指でツンツンしてみる。

全然起きる気配がない。



…買い物でも行ってくるか!


外食で済ませようかなと思ってたけど、起こしちゃうと可哀想だし。

今のうちに食料調達してこよう。


バッグを手に取り、そっと家を出た。


確か近所に大型スーパーがあったはず。
まだあるかな??
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