お兄ちゃんへ
「俺も料理手伝うよ」


「いいから座ってて。お兄ちゃんが手伝うと作る時間2倍かかりそうだから」


「うわぁ、傷ついた〜」


胸に手を当てて大袈裟に落ち込んで見せるお兄ちゃん。


「ちゃちゃっと作っちゃうね」


それにツッコミを入れると話が終わらなくなるから、スルーをして支度を始めた。

ちょっと寂しそうなお兄ちゃん。


「…分かったよ。それじゃあ俺は、荷物の整理終わらせとくか!」

「よろしく!」

「おう!」


お兄ちゃんは心配性で優しくて、いつも全力で私と向き合ってくれてる。
信用してくれてる。

そのおかげで、私は両親がいなくても友達がいなくても、これまで孤独を感じることはなかった。

私にできることなんて限られてるけど、それでもできることは何でもしてあげたいって思う。

お兄ちゃんの妹で、こんなに仲の良い兄妹でいられて、嬉しいよ…

ありがとう。


感謝の気持ちを込めて、ハンバーグを作った。

お兄ちゃんの大好物。


テーブルに運ぶ頃、お兄ちゃんも荷物の片付けが済んだようだった。
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