短編 少女漫画に影響されて
わたしは浩一が黙って家から出ようとするのを必死になって止めた。

違うの、そんなつもりじゃなかったの。お願いします。許してください。わたしは必死になって懇願する。

浩一の足にしがみついて。

浩一は感情のない視線を向けて言った。

汚いからはなしてよ。

浩一は怒鳴ることなく冷めた口調で言う。

間男を責め立てることもしない。

ただ、汚いとだけしか言わない。
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