夏〜お前の横顔、しっかり焼き付けるから〜
「……たぶん、楽しんでると思う」

あたしがそう答えると、「そっか」と千夏は笑う。そしてまたアイスを頬張り始めた。

アイスを食べ終えた後は、あたしが東京で買ったゲーム機を二人でいじる。千夏はあたしよりプレイ時間は少ないと思うのに、ゲームがなぜか得意だ。今日もマリオカートはあたしのボロ負け。

「ああ!千夏、それはなしでしょ!!」

「へへっ。お先〜!!」

一緒におやつを食べて、一緒にゲームをしたり遊ぶ。本当にカップルかと思う人もいるかもしれない。だって付き合ってるのに、キスはおろか手をつないだこともないんだから。

でも、キスとかしなくて当然だ。だってこの関係は同情からのものだからーーー。



あたしと千夏は、幼い頃からよく一緒に島の子どもたちと遊んでいた。

本島から離れたこの島では、子どもたちの遊びも限られている。浜辺で鬼ごっこをしたり、隠れんぼをしたり、トランプやオセロ、探検などを小学校高学年になっても普通にしていた。
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