イケメンの恋愛観察日記
かき揚げを食べて感涙していた拓海をお風呂に追いやって、明日のお弁当のおかずの仕込みをしていると、嘉川からグループメッセージが送られて来た。
『拓海、相笠おめでとう!今度、有紀も入れて4人でダブルデートしないか?』
「ダブルデートッ!」
なんと言う生き地獄!有紀ちゃんと嘉川との熱々カップルを目の前に見なければならない拓海の苦悩っ!ダブルデートと言う名の嘉川からのマウンティングッ!
どういう返事を返そうか…と悩んでいると拓海がお風呂から上がってきた。
「モトからのメッセージ見た?行ってもいいよな?」
あああっ何て爽やかに…俺、気にしてませんよー。アピが痛々しいっ!
「本当?拓海大丈夫なの?」
「何が?もういいじゃねぇ…大体モトには最初からバレているんだから。」
んん?最初?どういう意味だろう…。ハッ…もしかして!
嘉川は拓海の自分への想いを知っていてワザと拓海を傷つけているのかぁぁ?!
なんて鬼畜な所業なんだっ!爽やかイケメンの仮面を被って中身はドS野郎だったなんてっ!
「嘉川ぁぁ…あいつっ!」
「まあまあ…俺が黙ってて欲しいって頼んだんだし。」
拓海あんたっ!自分の恋心を踏みにじられても禁断の愛に黙秘を貫こうとするなんて…尊い。
嘉川の鬼畜野郎は踏みつけてやらねば気が済まないけれど、拓海は愛に疲れて悲恋に打ちのめされて…なんて尊くて、切ないの。これは是非とも労わってあげなくちゃ!
「拓海、ビール冷やしているから飲む?それとおつまみ作ったから。」
拓海の目が輝いた。
「おつまみ?どんなの?」
ビールは以前買い物に行った時に拓海が自分で買っていた銘柄のものだ。
私はオイルサーディンときのこのピリ辛炒めをおつまみとして出した。拓海はビールを飲みながら早速おつまみを摘まんだ。
「はぁ~やべぇ!このピリッと辛いの美味い~。」
「良かったよ~。心行くまで飲んで食べてね。」
拓海はキノコを口に入れながら首を捻っている。
「どうしたんだよ?千夏、今日はやけに優しいな。」
「私は愛に疲れた尊い生き物には優しいの!拓海の想いは私がしっかり守ってあげるからね!」
拓海は少し目を細めた。
「守るって千夏に守られるのは逆じゃね?俺が千夏を守ってあげなきゃいけないだろ?」
「いいからあんたは私に大人しく守られてりゃいいのよっ!」
私がそう叫ぶと拓海はキョトンとした表情の後に「ツンデレやべぇ…。」と言いながらまた天井を見ている。
何がツンデレだよっ!唐辛子がダイレクトに口に入って辛かっただけなんじゃない?!
翌日
もう周りにはバレているのでヨーグルトのイチゴソースかけとエッグベネディクトの朝食を頂いた後、拓海と2人で出社した。
周りの目が気になる。
「よおっ。」
自社ビルまで後少しの所で後ろから声をかけられた。この声はぁぁ!
「嘉川ぁぁ…。」
「一緒に出社?いいね〜!……てか相笠、何だよ?その殺し屋みたいな目は…。」
私は朝から爽やかイケメンの皮を被った鬼畜野郎を睨み上げてやった。
3人で会社に入る。社証をスキャンしてからゲートをくぐり、エレベーターに乗ろうとしたら、周りには営業部や経理部…人事部の方まで勢揃いしている。
皆が一斉に私達を見ている…気がする。
「なぁ何で朝からそんなに睨むんだよ。」
「嘉川っあんた…周りは騙せてもお天道様は見ているよ!」
「………。相笠、朝から変なもん食ったのか?」
嘉川は拓海の方を見た。
「イヤ、今朝はエッグベネディクトだったけど?」
拓海のこの発言に周りにいる社員がざわついた…気がする。
「あ、そっか。同じもん食ってるか。今日の弁当は何?」
「昨日の夜仕込んでたの見た感じでは、肉巻いてる系?」
また周りにいる社員達がざわついた…今度は気のせいじゃなさそうだ。
エレベーターが来たので、乗り込んだ。
「弁当楽しみだな〜。」
「ちょっと嘉川、何であんたが楽しみなのよ。」
私がエレベーターがすぐ2階に着いたので、降りながらそう聞くと、嘉川はケロッとした顔で言った。
「だって拓海がつまみ食いしてもいいって。」
私は2階のフロアに降りながら嘉川を顧みて
「あんたの為に作ってんじゃないよっ!」
と怒鳴った。
エレベーターの扉が閉まる瞬間、拓海が笑顔で手を降ってきたので思わず振り返してから嘉川を睨みつけた。
□ □ □ ■ □ □ □
「顔真っ赤にして怒ってたな。」
そう言った嘉川の顔を拓海はゆっくりと見た。
「モト、あれが正しいツンデレだよ。」
と、拓海が言うと周りにいる、営業部や人事部の社員が皆、吹き出した。
『拓海、相笠おめでとう!今度、有紀も入れて4人でダブルデートしないか?』
「ダブルデートッ!」
なんと言う生き地獄!有紀ちゃんと嘉川との熱々カップルを目の前に見なければならない拓海の苦悩っ!ダブルデートと言う名の嘉川からのマウンティングッ!
どういう返事を返そうか…と悩んでいると拓海がお風呂から上がってきた。
「モトからのメッセージ見た?行ってもいいよな?」
あああっ何て爽やかに…俺、気にしてませんよー。アピが痛々しいっ!
「本当?拓海大丈夫なの?」
「何が?もういいじゃねぇ…大体モトには最初からバレているんだから。」
んん?最初?どういう意味だろう…。ハッ…もしかして!
嘉川は拓海の自分への想いを知っていてワザと拓海を傷つけているのかぁぁ?!
なんて鬼畜な所業なんだっ!爽やかイケメンの仮面を被って中身はドS野郎だったなんてっ!
「嘉川ぁぁ…あいつっ!」
「まあまあ…俺が黙ってて欲しいって頼んだんだし。」
拓海あんたっ!自分の恋心を踏みにじられても禁断の愛に黙秘を貫こうとするなんて…尊い。
嘉川の鬼畜野郎は踏みつけてやらねば気が済まないけれど、拓海は愛に疲れて悲恋に打ちのめされて…なんて尊くて、切ないの。これは是非とも労わってあげなくちゃ!
「拓海、ビール冷やしているから飲む?それとおつまみ作ったから。」
拓海の目が輝いた。
「おつまみ?どんなの?」
ビールは以前買い物に行った時に拓海が自分で買っていた銘柄のものだ。
私はオイルサーディンときのこのピリ辛炒めをおつまみとして出した。拓海はビールを飲みながら早速おつまみを摘まんだ。
「はぁ~やべぇ!このピリッと辛いの美味い~。」
「良かったよ~。心行くまで飲んで食べてね。」
拓海はキノコを口に入れながら首を捻っている。
「どうしたんだよ?千夏、今日はやけに優しいな。」
「私は愛に疲れた尊い生き物には優しいの!拓海の想いは私がしっかり守ってあげるからね!」
拓海は少し目を細めた。
「守るって千夏に守られるのは逆じゃね?俺が千夏を守ってあげなきゃいけないだろ?」
「いいからあんたは私に大人しく守られてりゃいいのよっ!」
私がそう叫ぶと拓海はキョトンとした表情の後に「ツンデレやべぇ…。」と言いながらまた天井を見ている。
何がツンデレだよっ!唐辛子がダイレクトに口に入って辛かっただけなんじゃない?!
翌日
もう周りにはバレているのでヨーグルトのイチゴソースかけとエッグベネディクトの朝食を頂いた後、拓海と2人で出社した。
周りの目が気になる。
「よおっ。」
自社ビルまで後少しの所で後ろから声をかけられた。この声はぁぁ!
「嘉川ぁぁ…。」
「一緒に出社?いいね〜!……てか相笠、何だよ?その殺し屋みたいな目は…。」
私は朝から爽やかイケメンの皮を被った鬼畜野郎を睨み上げてやった。
3人で会社に入る。社証をスキャンしてからゲートをくぐり、エレベーターに乗ろうとしたら、周りには営業部や経理部…人事部の方まで勢揃いしている。
皆が一斉に私達を見ている…気がする。
「なぁ何で朝からそんなに睨むんだよ。」
「嘉川っあんた…周りは騙せてもお天道様は見ているよ!」
「………。相笠、朝から変なもん食ったのか?」
嘉川は拓海の方を見た。
「イヤ、今朝はエッグベネディクトだったけど?」
拓海のこの発言に周りにいる社員がざわついた…気がする。
「あ、そっか。同じもん食ってるか。今日の弁当は何?」
「昨日の夜仕込んでたの見た感じでは、肉巻いてる系?」
また周りにいる社員達がざわついた…今度は気のせいじゃなさそうだ。
エレベーターが来たので、乗り込んだ。
「弁当楽しみだな〜。」
「ちょっと嘉川、何であんたが楽しみなのよ。」
私がエレベーターがすぐ2階に着いたので、降りながらそう聞くと、嘉川はケロッとした顔で言った。
「だって拓海がつまみ食いしてもいいって。」
私は2階のフロアに降りながら嘉川を顧みて
「あんたの為に作ってんじゃないよっ!」
と怒鳴った。
エレベーターの扉が閉まる瞬間、拓海が笑顔で手を降ってきたので思わず振り返してから嘉川を睨みつけた。
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「顔真っ赤にして怒ってたな。」
そう言った嘉川の顔を拓海はゆっくりと見た。
「モト、あれが正しいツンデレだよ。」
と、拓海が言うと周りにいる、営業部や人事部の社員が皆、吹き出した。