イケメンの恋愛観察日記
拓海と睨み合い…イヤ、見詰め合っている。拓海はゆっくりと口を開いた。
「偽装彼氏って言ったけど…俺はそんなつもりは最初からなかった…ごめん。」
ん?んん?それどういう意味?
「俺…千夏の事本気だし、このまま何もない関係で終わるつもりはない。もし千夏が、気持ち悪いとか嫌悪感があるなら…嫌だけどすごく嫌だけど諦める。でも別れても友達には戻れない…俺器用じゃないし前と同じ距離感は保てないから。」
頭が拓海の言葉に追いつかない。拓海は私に本気?え?どうして嘉川じゃないの?え~と名指しで嘉川のことを聞くことは個人の嗜好の問題もあるので…
「拓海は…他に好きな人がいるんじゃないの?」
と私が聞くと拓海はポカンとした後、声を尖らせた。
「はあ?それ誰だよ?誰かから聞いたのか?」
拓海の目つきが段々鋭くなってきた…。怒ってますか?
「いやあの、誰か本命の人がいて…私はカモフラージュかと…。」
「本命は千夏だ。」
言い切られてしまった。
「え~とでも、いつから?」
「4年位前から、自分で言うのもなんだけど一途です。」
「ええ?4年前?じゃあ、入社して割とずっと…知らなかった。」
拓海はちょっと唇を尖らせた。
「千夏の顔も俺の好みなんだよ~だからホント一目惚れ…に近い。でもお前さ俺に全然興味示さなかったろ?俺、声かけてフラれたの初めてだった。」
声かけた?フラれた?入社した当時を振り返る。あの時はまだ拓海や嘉川ともそんなに仲良くなくて…入社して最初の方に同期で飲みに行ったりしてたのが、当時の拓海との接点といえば接点だ。
「もしかして同期の飲み会で…私に?」
拓海は何度も頷いた。いや、待てよ?確か…
「ちょっと待ってよ?でも、拓海は入社して早々年上の、彼女が出来てたじゃない。」
「それは向こうから付き合ってくれって言われた。その時は…まあいいか~と思ってそのままにしてた。で…その飲み会で千夏にあって…いいな~と思って声かけたら…声かけんなってすごい睨まれた。」
ああ思い出してきた。そうだ、拓海は彼女がいるのに飲みに行かないか?と誘ってきたのだった。当時の私は…彼女がいるのに女性を誘うのか?!と拓海に大層幻滅したことを覚えている。
こいつはイケメンの風上にも置けないな…と思った。
私は話が長引きそうだと…リビングに拓海を連れて行った。2人で日本茶を啜る。
「あんた彼女がいるのに私を誘ってきたでしょう?チャラチャラしてて、私は駄目だと判断したんだけど…。」
拓海は手で顔を覆った。
「だろうな…そうだろうと思った。俺昔は来るもの拒まずだったし…。で初めて自分から告ってフラれた…。びっくりしたんだ。」
それはそれは…。そりゃ拓海くらいの美形ならまず拒まれないだろうね。
「千夏にフラれてショックで、もうこうなったら告ってくる女の子と付き合ってみればいつかは忘れられて…とか思ってたけど結局自分から誰も好きになれないし…やっぱり益々千夏が好きだし。」
「私、あんたに好かれるような事してたっけ?」
拓海は恥ずかしそうに微笑んで私を見た。
「さっきも言ったけど見た目がまず好みだ。性格も変わってて見てて面白い。」
「ちょっと待て。性格のそれは誉め言葉か?まるでお笑い芸人を褒めるようじゃないの。」
「だって本当だもんな~。俺や嘉川にもこう、何ていうか…ギラギラしていないっていうか…。」
「ああそりゃあんた達に恋愛感情無いんだもの。そりゃギラギラしようもないわよ?」
拓海は顔を引きつらせている。
「恋愛感情無いの…そうか、そうだよな。」
しまった…う~ん。
「そりゃ前はよ?前は…あんた達は私にはただのイケメン様なだけだったもの。今は……そんなことないよ?え~ともう少し親しくなれたと思ってるよ?」
拓海は上目遣いで私を見てきた。
「親しくなってきた?」
「そうそう。」
「前よりは俺の事意識してくれてる?」
「うんうん。」
「じゃあちゃんと彼氏としてみてくれている?」
「うんう……?」
彼氏…。そうか拓海は嘉川のことをそう言う目で見ていなかったのか。私が勝手に早とちりして騒いでいただけで…4年も私に片思い?未だに信じられない…。
「ちょっと聞きたいんだけど、拓海のマンションの部屋の壁に社内旅行の写真飾ってたよね?あれさ、拓海と嘉川と私が写っていたと思うんだけど何故私だけ切り取られてたの?てっきり私が2人のお邪魔なのだと思っていたのだけど…。」
拓海の顔が段々と歪み、真っ赤になってきた。
「お…お前、まさか…俺が嘉川の事…す、すっ…とか思ってたのかぁ?!」
あ……しまった。口が滑っちゃった。
拓海は手で顔を覆った。ひどいぃぃぃ…と絶叫している。
××月××日(日)
突然に自分が恋愛当事者になることになった。
というか、私が想いを寄せられる相手にだ。信じられない。私に想いを寄せていると言い張る拓海を見るとそれはそれは蕩けるような笑顔を向けてくる。
これは恋する瞳だ…但し私に対してだけど。尊いと思うけどその眼差しを私に向けているのがこそばゆい。まだ実感が湧かない。
「偽装彼氏って言ったけど…俺はそんなつもりは最初からなかった…ごめん。」
ん?んん?それどういう意味?
「俺…千夏の事本気だし、このまま何もない関係で終わるつもりはない。もし千夏が、気持ち悪いとか嫌悪感があるなら…嫌だけどすごく嫌だけど諦める。でも別れても友達には戻れない…俺器用じゃないし前と同じ距離感は保てないから。」
頭が拓海の言葉に追いつかない。拓海は私に本気?え?どうして嘉川じゃないの?え~と名指しで嘉川のことを聞くことは個人の嗜好の問題もあるので…
「拓海は…他に好きな人がいるんじゃないの?」
と私が聞くと拓海はポカンとした後、声を尖らせた。
「はあ?それ誰だよ?誰かから聞いたのか?」
拓海の目つきが段々鋭くなってきた…。怒ってますか?
「いやあの、誰か本命の人がいて…私はカモフラージュかと…。」
「本命は千夏だ。」
言い切られてしまった。
「え~とでも、いつから?」
「4年位前から、自分で言うのもなんだけど一途です。」
「ええ?4年前?じゃあ、入社して割とずっと…知らなかった。」
拓海はちょっと唇を尖らせた。
「千夏の顔も俺の好みなんだよ~だからホント一目惚れ…に近い。でもお前さ俺に全然興味示さなかったろ?俺、声かけてフラれたの初めてだった。」
声かけた?フラれた?入社した当時を振り返る。あの時はまだ拓海や嘉川ともそんなに仲良くなくて…入社して最初の方に同期で飲みに行ったりしてたのが、当時の拓海との接点といえば接点だ。
「もしかして同期の飲み会で…私に?」
拓海は何度も頷いた。いや、待てよ?確か…
「ちょっと待ってよ?でも、拓海は入社して早々年上の、彼女が出来てたじゃない。」
「それは向こうから付き合ってくれって言われた。その時は…まあいいか~と思ってそのままにしてた。で…その飲み会で千夏にあって…いいな~と思って声かけたら…声かけんなってすごい睨まれた。」
ああ思い出してきた。そうだ、拓海は彼女がいるのに飲みに行かないか?と誘ってきたのだった。当時の私は…彼女がいるのに女性を誘うのか?!と拓海に大層幻滅したことを覚えている。
こいつはイケメンの風上にも置けないな…と思った。
私は話が長引きそうだと…リビングに拓海を連れて行った。2人で日本茶を啜る。
「あんた彼女がいるのに私を誘ってきたでしょう?チャラチャラしてて、私は駄目だと判断したんだけど…。」
拓海は手で顔を覆った。
「だろうな…そうだろうと思った。俺昔は来るもの拒まずだったし…。で初めて自分から告ってフラれた…。びっくりしたんだ。」
それはそれは…。そりゃ拓海くらいの美形ならまず拒まれないだろうね。
「千夏にフラれてショックで、もうこうなったら告ってくる女の子と付き合ってみればいつかは忘れられて…とか思ってたけど結局自分から誰も好きになれないし…やっぱり益々千夏が好きだし。」
「私、あんたに好かれるような事してたっけ?」
拓海は恥ずかしそうに微笑んで私を見た。
「さっきも言ったけど見た目がまず好みだ。性格も変わってて見てて面白い。」
「ちょっと待て。性格のそれは誉め言葉か?まるでお笑い芸人を褒めるようじゃないの。」
「だって本当だもんな~。俺や嘉川にもこう、何ていうか…ギラギラしていないっていうか…。」
「ああそりゃあんた達に恋愛感情無いんだもの。そりゃギラギラしようもないわよ?」
拓海は顔を引きつらせている。
「恋愛感情無いの…そうか、そうだよな。」
しまった…う~ん。
「そりゃ前はよ?前は…あんた達は私にはただのイケメン様なだけだったもの。今は……そんなことないよ?え~ともう少し親しくなれたと思ってるよ?」
拓海は上目遣いで私を見てきた。
「親しくなってきた?」
「そうそう。」
「前よりは俺の事意識してくれてる?」
「うんうん。」
「じゃあちゃんと彼氏としてみてくれている?」
「うんう……?」
彼氏…。そうか拓海は嘉川のことをそう言う目で見ていなかったのか。私が勝手に早とちりして騒いでいただけで…4年も私に片思い?未だに信じられない…。
「ちょっと聞きたいんだけど、拓海のマンションの部屋の壁に社内旅行の写真飾ってたよね?あれさ、拓海と嘉川と私が写っていたと思うんだけど何故私だけ切り取られてたの?てっきり私が2人のお邪魔なのだと思っていたのだけど…。」
拓海の顔が段々と歪み、真っ赤になってきた。
「お…お前、まさか…俺が嘉川の事…す、すっ…とか思ってたのかぁ?!」
あ……しまった。口が滑っちゃった。
拓海は手で顔を覆った。ひどいぃぃぃ…と絶叫している。
××月××日(日)
突然に自分が恋愛当事者になることになった。
というか、私が想いを寄せられる相手にだ。信じられない。私に想いを寄せていると言い張る拓海を見るとそれはそれは蕩けるような笑顔を向けてくる。
これは恋する瞳だ…但し私に対してだけど。尊いと思うけどその眼差しを私に向けているのがこそばゆい。まだ実感が湧かない。