イケメンの恋愛観察日記
彼氏の観察
壁ドン…しかもイケメンからの壁ドン。
漫画やドラマの二次元では見たことがあるが間近で見ることになるとは…。
「…大理石だ。」
「へ?」
「壁、大理石だ…凄いな。」
「あ…ははっ?そう、凄いよね〜!」
びっくりした以上に恥ずかしいっ!自意識過剰じゃない!壁ドンじゃなかった!
よく見れば加瀨が手をついている壁は私の顔より少し離れている。
「と…とにかく上がって…うん、どうぞっ!」
恥ずかしさと緊張で慌てまくりながら来客用のスリッパを出した。
「うわ…内装もすげぇ、その玄関の隣の部屋は何?」
「あ…収納部屋。私は傘とか季節にしか使わない靴とか置いてある。」
「すげぇ…。」
加瀨を廊下を抜けた先にあるリビングに案内する。ええ、無駄にでかいリビングです。
「なにこれ?!壁がガラス張り⁈って…ソファ!かっこいい!すげぇこんな広いの初めて見た!」
加瀨はすげぇばかりを連発している。私は加瀨をリビングに置いておいて…キッチンに向かった。
すぐにコーヒーメーカーを起動させる。コーヒーは豆コーヒーを挽いて飲む。私のプチ贅沢だ。
「どこか適当に座って待ってて。」
「お、おう。」
今、加瀨が居る無駄に広いリビングは普段は使っていない。毎日の食事はキッチンでご飯を食べている。寝室は二間続きなので、前室にテレビや机や本棚等の家具を置いてある。
私の家の中での移動はキッチン、寝室、風呂場とトイレと洗濯場とベランダぐらいしか移動しない。使っていない部屋が6室もあるという無駄っぷりだ
「はい、ブレンドコーヒーのミルク付き。」
加瀨のコーヒーの好みは把握している。加瀨は俯いている。
私もミルクコーヒーを入れて豪華な推定○○万円のソファに腰をかけた。マンションに最初から置かれていたソファだ。自分で買ったものではない。
「明日、お見合いって本当?」
「うん。」
「行くつもりだった?」
「…う~ん。仕方なく?」
加瀨はやっと私の方を見た。
「俺が恋人宣言して助かった?」
「助かった!」
私は即答した。そこは間違いない。加瀨の機転のお陰で明日、したくもないお見合いをしないで済む。
加瀨は頷いた。
「そうか…。じゃあ当面は『彼氏』のフリしなきゃな。」
「へ?」
「へ…じゃねーよ。あのお兄さん達ならしつこく言ってきそうじゃないか?」
確かに加瀨の言う通り。
「加瀨…聞かないの?」
「何が?」
加瀨はコーヒーを飲んで微笑んでいる。美味しかった?笑顔もイケメンですね。
「こんな豪華なマンションに住んでいる理由…。」
「聞いて欲しいのか?」
「半々…。」
「そうか…じゃあ話したい事、話せる範囲のことだけ話してみろよ。」
何と顔もイケメンだけど、話術の誘導の仕方までイケメンじゃないか!もはや何にでもイケメンつけときゃいいだろ!状態になっているけれど…。
「え~とさっきマンションの入口で騒いでいたのは元、義理のお兄様達です。」
「義理の兄?」
そう問いかけてきた加瀨に私は頷いて見せた。
「私は…赤ちゃんの時に父の再婚により、義理の母とあの義兄達が家族になって…それで14歳の時に親が離婚して、ここに住む形で1人暮らしになったの。」
ちょっと端折ったけど、簡単に言うとそんな感じだ。間違いではない。
「14歳で!お父さん何してるんだよ?」
これは答えにくいけど…まあいいか。今時珍しい事例でもないし。
「会社の若いねーちゃんと浮気して逃げたの。」
「……。」
加瀨、絶句しているね。
「元、義母と実父は泥沼離婚だったんだけど、私とは円満別居?みたいな形でね。このマンションは生前贈与で義母から頂いたんだ。」
「せ…生前贈与ぉ⁈」
「義母の一族、お金持ちなのよ?私は違うけどね。と言う訳で、全然赤の他人だけど未だに元義兄達は私の兄みたいな存在だし、義母も普通にお母さんしてくれているし…親戚の手前、別居の状態にはなっているけど、ここに住む間は家賃もいらないし駅から近いしセキュリティーの万全なマンションに住めるし助かっている、以上です。」
加瀨は暫く唖然としていたがポツンと
「お前、ポヤポヤしていると思ってたけど、元お嬢様だからなんだな。」
「うりゃ~!どういう意味だ!」
加瀨はちょっと笑っている。
「いや擦れてないっていうのかな…人が良いというか、そうか…うん、分かった。その逃げた親父はどうしてるの?」
はあ、そこも聞いてくる?うちの親父、結構な胸糞親父なんだけど?
「まあ…何というか典型的なクソ親父でね。時々お金を無心にくるわけよ。」
加瀨が目を吊り上げた。
「今も来るの?」
「たま~に?1年に1、2回?」
「結構な頻度じゃないか!何か…その、危ないことないのかっ⁈」
あ~えっと…これ言うと加瀨どう思うかな…。
「まあ…危ないというか、威圧的に会いに来る感じではあるよね。金よこせっ!みたいなね。」
「渡してるのかっ⁈」
「だって…怖いもん。昔から怒りっぽい人だったし…。」
加瀨がソファから立ち上がった。私の視界が暗転した。
え?何?
気が付くと私の体は加瀨に抱きしめられていた。
壁ドン(未遂)の次は、抱っこハグですかぁ⁈
漫画やドラマの二次元では見たことがあるが間近で見ることになるとは…。
「…大理石だ。」
「へ?」
「壁、大理石だ…凄いな。」
「あ…ははっ?そう、凄いよね〜!」
びっくりした以上に恥ずかしいっ!自意識過剰じゃない!壁ドンじゃなかった!
よく見れば加瀨が手をついている壁は私の顔より少し離れている。
「と…とにかく上がって…うん、どうぞっ!」
恥ずかしさと緊張で慌てまくりながら来客用のスリッパを出した。
「うわ…内装もすげぇ、その玄関の隣の部屋は何?」
「あ…収納部屋。私は傘とか季節にしか使わない靴とか置いてある。」
「すげぇ…。」
加瀨を廊下を抜けた先にあるリビングに案内する。ええ、無駄にでかいリビングです。
「なにこれ?!壁がガラス張り⁈って…ソファ!かっこいい!すげぇこんな広いの初めて見た!」
加瀨はすげぇばかりを連発している。私は加瀨をリビングに置いておいて…キッチンに向かった。
すぐにコーヒーメーカーを起動させる。コーヒーは豆コーヒーを挽いて飲む。私のプチ贅沢だ。
「どこか適当に座って待ってて。」
「お、おう。」
今、加瀨が居る無駄に広いリビングは普段は使っていない。毎日の食事はキッチンでご飯を食べている。寝室は二間続きなので、前室にテレビや机や本棚等の家具を置いてある。
私の家の中での移動はキッチン、寝室、風呂場とトイレと洗濯場とベランダぐらいしか移動しない。使っていない部屋が6室もあるという無駄っぷりだ
「はい、ブレンドコーヒーのミルク付き。」
加瀨のコーヒーの好みは把握している。加瀨は俯いている。
私もミルクコーヒーを入れて豪華な推定○○万円のソファに腰をかけた。マンションに最初から置かれていたソファだ。自分で買ったものではない。
「明日、お見合いって本当?」
「うん。」
「行くつもりだった?」
「…う~ん。仕方なく?」
加瀨はやっと私の方を見た。
「俺が恋人宣言して助かった?」
「助かった!」
私は即答した。そこは間違いない。加瀨の機転のお陰で明日、したくもないお見合いをしないで済む。
加瀨は頷いた。
「そうか…。じゃあ当面は『彼氏』のフリしなきゃな。」
「へ?」
「へ…じゃねーよ。あのお兄さん達ならしつこく言ってきそうじゃないか?」
確かに加瀨の言う通り。
「加瀨…聞かないの?」
「何が?」
加瀨はコーヒーを飲んで微笑んでいる。美味しかった?笑顔もイケメンですね。
「こんな豪華なマンションに住んでいる理由…。」
「聞いて欲しいのか?」
「半々…。」
「そうか…じゃあ話したい事、話せる範囲のことだけ話してみろよ。」
何と顔もイケメンだけど、話術の誘導の仕方までイケメンじゃないか!もはや何にでもイケメンつけときゃいいだろ!状態になっているけれど…。
「え~とさっきマンションの入口で騒いでいたのは元、義理のお兄様達です。」
「義理の兄?」
そう問いかけてきた加瀨に私は頷いて見せた。
「私は…赤ちゃんの時に父の再婚により、義理の母とあの義兄達が家族になって…それで14歳の時に親が離婚して、ここに住む形で1人暮らしになったの。」
ちょっと端折ったけど、簡単に言うとそんな感じだ。間違いではない。
「14歳で!お父さん何してるんだよ?」
これは答えにくいけど…まあいいか。今時珍しい事例でもないし。
「会社の若いねーちゃんと浮気して逃げたの。」
「……。」
加瀨、絶句しているね。
「元、義母と実父は泥沼離婚だったんだけど、私とは円満別居?みたいな形でね。このマンションは生前贈与で義母から頂いたんだ。」
「せ…生前贈与ぉ⁈」
「義母の一族、お金持ちなのよ?私は違うけどね。と言う訳で、全然赤の他人だけど未だに元義兄達は私の兄みたいな存在だし、義母も普通にお母さんしてくれているし…親戚の手前、別居の状態にはなっているけど、ここに住む間は家賃もいらないし駅から近いしセキュリティーの万全なマンションに住めるし助かっている、以上です。」
加瀨は暫く唖然としていたがポツンと
「お前、ポヤポヤしていると思ってたけど、元お嬢様だからなんだな。」
「うりゃ~!どういう意味だ!」
加瀨はちょっと笑っている。
「いや擦れてないっていうのかな…人が良いというか、そうか…うん、分かった。その逃げた親父はどうしてるの?」
はあ、そこも聞いてくる?うちの親父、結構な胸糞親父なんだけど?
「まあ…何というか典型的なクソ親父でね。時々お金を無心にくるわけよ。」
加瀨が目を吊り上げた。
「今も来るの?」
「たま~に?1年に1、2回?」
「結構な頻度じゃないか!何か…その、危ないことないのかっ⁈」
あ~えっと…これ言うと加瀨どう思うかな…。
「まあ…危ないというか、威圧的に会いに来る感じではあるよね。金よこせっ!みたいなね。」
「渡してるのかっ⁈」
「だって…怖いもん。昔から怒りっぽい人だったし…。」
加瀨がソファから立ち上がった。私の視界が暗転した。
え?何?
気が付くと私の体は加瀨に抱きしめられていた。
壁ドン(未遂)の次は、抱っこハグですかぁ⁈