沈黙の歌姫

結歌side

『じゃあな』


そう言って本当に行ってしまった。



一昨日の夕方からずっと海音のそばに居たせいで、いつもと同じ教室が不安でしょうがない。


海音の背中を見送ったあと、意を決して席に着く。


ん?おかしい。


落書きだらけだった机は綺麗になり、机の中も綺麗。


無くなっていた教科書が戻ってきている…。


そういえば、下駄箱にも何にも入ってなくて、おかしいなと思ったんだった。


「ホームルーム始めます。」

いつも通り先生が入ってきても騒がしい。


静めることを諦めている先生は、ただただ連絡事項を話す


「えー。1階の窓が割れていました。何か知っていたら教えてください。」


またか。この学校荒れすぎ


「せんせー!野崎さんが割ってるのを見ました!」


は??


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