沈黙の歌姫
【ちゃんとお礼言いたいな。声でないけど】
「いいのいいの。下っ端は雑用やってなんぼなんだから。」
【いや、でもさ。あれ私の仕事だったし。】
『じゃあ、いつか結歌の声が出るようになったときに、自分で伝えればいい』
「だな」
声戻るのかな…。
こんなに助けてもらって後ろ向きでいちゃいけないよね!
【分かった!けど、とりあえずのお礼は伝えといてね?】
『はいはい』
ってことで、下っ端さんのおかげで倉庫に行くことが出来た。
それからは、昨日とほとんど変わらず、スマホを介してみんなとたくさん話をした。
昨日と違ったことと言えば、同じクラスの5人を紹介してもらったこと。
私のスマホに、さらに5人の連絡先が増えた。