沈黙の歌姫
最初は緊張したけど、5人はすごくフレンドリーですぐに緊張も解けた


やっぱり、狼義はいい人ばっかりだなぁ


私は初めてのジェンガが楽し過ぎて時間も忘れて遊んでいた


そろそろ日付が変わろうとしている頃、


私たち少しの振動で倒れてしまいそうなほど、白熱した勝負をしていた


『結歌』


ビクッ!!


ガッシャーン!!


あーあ……。


突然背後から海音に呼ばれたことに驚いてジェンガを倒してしまった。


頬をふくらませて、口を尖らせて、眉間にシワを寄せて、最大限の怒りの表情で振り返ると


『あ…ごめん』


こんな素直に謝られちゃしょうがない…

今度は何??って顔に書く。


書けてるか分かんないけど、多分海音なら分かってくれるから


『ああ、もう遅いから迎えに来た』

ほらね。分かってくれた


『おいで』

海音のおいでって声はまるで小さい子を呼んでいるみたいに、甘くて優しい。
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