沈黙の歌姫
ありがとうって伝えられないもどかしさで、
喉に言葉がつっかえるような、そんな苦しさを感じた。
急いで探したから、思いのほか早く買い物を終えられた。
時間はまだ午後2時。
遅くても5時までには帰るように言われていたから、まだ余裕がある。
「まだ時間大丈夫だよね、、よし、結歌行くぞ!」
えっ!?どこに!!?
なんて聞いている間もなく、
花恋と千果に引きずられて着いたのは…オシャレな美容院。
「「こんにちはー」」
ガチャッと勢いよく入っていく2人。
「花恋、千果ちゃんいらっしゃーい」
奥から美人で優しそうな顔の美容師さんが、笑顔で出てきた。
後ろからそろり店内に入り、ペコッと挨拶をした
「あなたが結歌ちゃんね?」
えっ?あ…はいって思いで頷く。
「私の叔母の未香さん、ここは未香さんのお店なの」
と、花恋が紹介してくれて、花恋と同じ家系ならそりゃあ美人だよねって納得した