沈黙の歌姫
「で、今日は結歌ちゃんをうんと可愛くすればいいのね??」
「そう!めちゃくちゃ可愛くしてあげて!」
へ?私?
「よし!結歌ちゃんあっちの席に座って待ってて!」
えーーーーっ??
「花恋と千果ちゃんもクリスマスプレゼントにトリートメントくらいしてあげるから、そこ座りなー」
「やったー!」
ってことで、3人並んで席に座わることに。
「さてと、よろしくねー」
今まで美容院なんてちゃんとしたところに来たことがなかったから、
物凄く緊張している…。
そして、
改めて鏡を覗くと、
ろくに手入れもせずほったらかしていた髪の毛、
前髪は目が隠れるくらいに伸ばしていて…
私こんなんだったけ……。
「結歌ちゃん、私に任せてね。絶対可愛くするから!」
そう言われ、どんどん髪が切られていった。
「次、前髪切るね」
顔を隠したくて、意図的に伸ばしていた前髪を切るのは勇気が必要だった。
でも、海音の隣に並んで恥ずかしくない人になりたい。という思いが打ち勝ち、
しっかりと頷いた。