沈黙の歌姫
それから倉庫に戻ったのは4時半くらいだった。
「ただいまー!」
元気よく入っていく千果。
「あっ海音たち居た!」
花恋と千果に引っ張られて、
海音と一希と幹部の3人が話しているところに走っていった。
「海音ーー!!!」
「ん?なんだよ千果うるせえなぁ」
と、晃輔。
「ちょっと見てよ!」
「花恋どうしたのそんなに興奮して」
と、一希。
「「いいから早く見て!」」
「あ?」
と、海音がようやく振り向くと
前に立って私を隠していた2人がスっとよけて
海音と目が合う。
「結歌ちょー可愛い!」
と湊が騒ぎ、
「似合ってんじゃん」
と柚斗が声をかけてくれたけど……
海音は無言のまま近づいてきて、
着ていたコートのフードを被せられた。
似合ってなかった……?
みんなはニヤニヤ笑ってるけど…私はすごく悲しくなった。
「暴走始まるまで休んでな」
と、初めて発した言葉は髪のことにはふれてくれなかった。