沈黙の歌姫
『中学に入ったときには家出て、喧嘩ばっかの生活してたんだ。

そんなときに、先代の匠哉さんに声掛けてもらったんだ。「そんなことしてねーで、狼義に入れ」って

そのときの総長も俺の事受け入れてくれて、
いろんな事情をもった人ばっかで、誰も詮索してこないここが居心地よくて、それからは狼義が俺の居場所になった。』


中学生のときから一人暮らしってこと…?


匠哉さんって、海音の前の総長さんだったのか。


『だから俺は、狼義を守らないといけない。いや、いけないというよりか、俺が守りたいんだ。』


海音には守るものが多すぎて、

自分が壊れてしまわないように、表面を強さで固めてしまったんだ。

そう思った。


そうならば、私が海音を守りたい。



何をしたらいいのか…。私にはひとつしか思い浮かばなかった。


出来るか分からないけど…。
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