沈黙の歌姫
突然の質問に思考が停止…
「なんかあったんでしょ?あんなにぼーっとして。」
あっそのことか。
それでやっと柚斗がここに連れてきてくれた意図を理解した。
「最近海音と過ごせる時間短いんでしょ?その時間を無駄にしないように、悩みくらい俺が聞いてあげるよ」
“柚斗は時間大丈夫なの?”
「俺は幹部でも喧嘩のとき以外はわりと暇だから。大丈夫」
“私が海音と付き合ってから、私の代わりにいじめられ始めた子がいてね。野崎さんっていうんだけど、分かる?”
「野崎 奈々美?」
“そう!!”
「全然関わったことないけど、中学同じだったわ。」
“そうなんだ。それでね、私のせいでいじめられちゃってる訳だし、1番辛さを分かるのは私だから、助けてあげたいって思ったんだけど、なかなか上手くいかなくて。”
私のメールをじっくり読んだあと
「なるほどね。とりあえず、いじめられてるのは結歌のせいじゃないからね。」
と、まず私のことをフォローしてくれた。