沈黙の歌姫

『んと、まず緘黙症ってのはなんとなく気づいてたし、こうやってメールだったりでどうにでもなるから大丈夫だ。で、家事のことだけど、無理しなくていいから。ただ、俺ほぼほぼコンビニか外食だから、飯だけ作ってくれたら嬉しい』


料理なら昔からやってたから結構得意だ


『それと…釣り合う釣り合わないじゃなくて、俺がお前のこと好きだから。それでいいんだよ。姫ってのは心配するな。狼義が全力で守り抜く。明日紹介するな』



なんでこんなドキドキすることばっかり。

でも、優しい言葉をかける彼の顔はやっぱり寂しげでちょっと拗ねたような…



彼の顔を改めて見上げる。


目が合った途端


ガバッ!
< 41 / 192 >

この作品をシェア

pagetop