沈黙の歌姫

そして最低限のものしかない閑散とした部屋に入った。

結歌は落ち着かなそうに部屋を見回している。

『何もねぇだろ。あんまりここに帰って来ねぇから。だから自由に使え。必要なものは揃えてやるし』


『とりあえず座れ』


そう言って冷蔵庫から飲み物を出す。

リビングに戻ろうとすると

結歌がソファでぴょこぴょこしてた。


何だこの生き物は可愛すぎて…マジ俺我慢出来っかな。


『ふっ。楽しいか?』

はっとする結歌。
抱きしめたくなったけど…とりあえず今は話が優先だ。


『とりあえずちゃんと話さないといけない事があるから聞いてくれ』


結歌も真剣な顔になる


『俺は【狼義】っていう暴走族の総長だ。』


正直反応が怖かった。怖がられる可能性も高い。
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