沈黙の歌姫
戸惑って不安な表情を浮かべる
『喋れないこと気にしてるか?』
目を丸くしている
『図星みてーだな。』
心の内を当てられたことに驚いてるけど、全部顔に書いてあるよ笑
『喋れないことぐらい気にすんな。お前なんでも顔に書いてあるし、スマホだってあるんだし。それに言葉なんてたいして便利なものでもねーよ。』
それは俺が身に染みて体感してる。
足元を見つめて葛藤している結歌
『付き合ってくれるか?』
再び問いかけると今までで1番大きく頷いてくれた。
良かった…。
『よし。で、スマホ貸してくんね?』
怪しいかなとは思ったけど、不思議そうにスマホを貸してくれた。
そしてそこに俺の番号とメアドを登録する。
『俺の番号とメアド登録しといたから、なんかあったらいつでも連絡して』
そう言って返した。
このとき、唯一登録されていた連絡先をチラッと見たのは秘密だ。