沈黙の歌姫
自分とは縁がない。そう思っていた今流行りの恋愛ソングを口ずさんでみる。
しばらくして、洗濯乾燥機が止まる音がしたのでお風呂から上がった。
洗ったばかりの下着を身につけて、彼に貸してもらった部屋着に着替える。
ドライヤーまで終えてリビングに戻るとすでに海音が帰ってきていて、ソファに寝転んでスマホをいじっていた
『ん?結歌お帰り』
お帰りはこっちのセリフのような気がしたけど…
なんだか少し顔が赤いような気がする。
外寒かったのかな。
『俺も風呂入ってくるなー』
そう言ってそそくさとお風呂に行ってしまった。
リビングに1人になった私はソファに座ってテレビをつける。
あんまり面白い番組はやってなくて、ぼんやりとテレビを見ていたら、徐々に睡魔に襲われて、意識が朦朧としていく
『こんなところで無防備に寝るんじゃねぇよ』
意識が薄れるなかでそんな声が聞こえた気がした。