沈黙の歌姫

起きるためにセットしてあったんだよね?
そう考えて、肩をトントンする


全く起きる気配がない。


今度は体を揺すってみた。

少し表情が歪む。


もう少し…これならどうだとほっぺをつねってみる。


『ん…。今日は優しいな…』


まだ、目は閉じたままむにゃむにゃとそんなことを言っている。


今日は優しいって何??


もう一度ほっぺをつねってみると、


うっすらと目が開いて


『んー。結歌かぁ』


かぁなんて言いながら嬉しそうな顔してるのが可愛い


『もうちょっと寝よ…』


寝よって言ってるけど、すでに意識は半分くらい夢の中。



朝弱いんだ…学校行かないならもうちょっと寝てもいいかななんて思ってしまって、再び横になる。



すると、彼が寄ってきて抱き枕のように抱きしめられる


ちょっ海音//


腕の中でバタバタすると、寝ているのにどうしてこんなに力が入るんだと思うほどの力で押さえつけられて、諦めて大人しくする。

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