風邪引き
まさか・・・ッ!!

とほーとうなだれ諦めた様子の明日香を見て、それでよろしい、と雅人が微笑んだ。
「はい、あーん」
「う・・・・・・」
笑顔で言う雅人に言葉を詰まらせながらも口を開く明日香。そこに雅人は少しずつお粥を流し込んでいく。

しばらくして、お椀が空になると、雅人はほっとした表情で明日香を見た。
「よかった。意外と食べれたな。ほい。じゃあ、薬飲んで。」
そう言って、雅人は明日香に薬と水の入ったコップを手渡した。明日香はそれをゆっくりと飲み干して、また休もうと横になった。
「ごめん、雅人・・・ありがとう・・・。」
雅人は首を振った。
「これくらい当たり前だよ。」
そう言って微笑む雅人に、明日香も微笑み返す。
「ほんと、風邪ひいたのなんか久しぶり・・・・早く治さないとみんなに迷惑がかかる・・・。」
「いいんだよ。そんなに焦らなくて。明日香には休養が必要だったってこと。」
そう言うと、雅人は水の入った洗面器を持って立ち上がった。たぶん、水を換えに行こうとしているのだろう。と、それをアルが制す。アルは洗面器を持ってふよふよと部屋を出た。明日香と雅人がクスクス笑っていると、雅人が、ふと思いついたかのように、明日香を見た。
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