愛が重くて何が悪い!
俺が許婚だって知ってたのに付き合ってたから、悠音は俺が嫌いなんだって、ずっと思ってたし。


あの頃の病みを思い出すと絶対に手放せなくて。


いくら恋愛禁止でも、この男どもの海にいて悠音がなにもされないって保証はない。
ずっとドキドキしっぱなしだ、怖い。


既に男子部員に囲まれてる悠音。
なんも言えない。すごい言いたい。
悠音は俺のって、めちゃくちゃ言いたい。


「花園さん、下の名前悠音って言ってたっけ?」
「はい。あ、でも、名前は好きな人にしか呼ばれたくないんです、呼んじゃダメですよ?」
「あ、そうなんだ。割ときっちりしてるね?」
「はい」


にっこりと微笑む悠音。
早速部長に絡まれて、ハッキリ、ズバッと。
そのまま悠音狙いなんか辞めて爆ぜちゃえばいい。


「花園ちゃん、バレー好きなの?」


今日は自己紹介とかで時間も押しててそんなに練習するつもりもないらしい。
ゆるゆるムード。
悠音に群がるハエ。


……全員、くたばれ。
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