愛が重くて何が悪い!
「ん、帰ろ」


部活では幼なじみ、で押し通した。
年頃だから苗字。気の使いすぎか。


電車に乗って40分。
駅から徒歩で12分。
割と遠い。


家に帰ってすぐに俺は家の鍵を閉めて悠音を後ろから抱きしめる。



「璃汰……?やきもち妬いちゃったの?」
「……妬いた」


妬いてないわけないでしょ?
悠音の体を回して、じっと見つめる。
全てを理解したようにふふっと微笑んで目を閉じる。
俺は悠音の唇になんの躊躇いもなくキスをした。


「璃汰は可愛いね」
「……何が」
「素直なとこが」


唇を離してすぐ、柔らかい笑みを見せてくれる悠音。
可愛い、落ち着く。
……ずっとこうやってしてたいな。


「……スマホ」
「ん、どーぞ」


玄関で悠音を抱きしめたままスマホを確認する。
男、9人。
部員全員、とまではいかないけど、悠音に下心持って近づいてる奴らばっかだよな。
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