愛が重くて何が悪い!
……璃汰に連絡しよ。
今日はキスぐらいで済むかな?
キスマが増えるかな?
明日は休みだし……夜寝かしてもらえなさそうだな……。


それでも、璃汰と過ごせるならなんだっていいや。


私は会長の背中を見つつ、そんなことを考えていた。


ぽんっと、肩に重みを感じる。
優しい、私の好きな匂いが香る。
振り返ると、思った通り。


「おはよう。九条くん」


璃汰が乗ってくる電車は私が乗った11分後の。
私が歩くペースあんまり早くなくて、璃汰がちょっと早いから、学校に着く時間は5分くらいしか変わんない。


「……朝から公開告白なんて。やるねー」


棒読み、不機嫌。
やる気ない感じで、なのに、会長にはガン飛ばしてる。


「……うっざ」


小さく呟く。
いつもより、唇がムッととがってる。
……ごめんね、璃汰。
朝から待ち伏せされちゃって。


「……夜、寝かしてやんない」


耳元でささやかれたそれは私を赤面させるには十分で。
璃汰はおはよ、と呟いて下駄箱を抜けていった。
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