愛が重くて何が悪い!
見て欲しいな、もちろん、悠音に。
そりゃ毎日見られてるけどさ。
最近上手くなってきたと思うんだよ。
ちゃんとアタック決まるようになってきたんだけど。


先輩の技を目で見て盗むって言う、悠音の天才的能力を頑張って真似っこしてる。
向いてるかどうかはあんまりわかんないけど、多分できてる。


「まぁまぁ、頑張ったら花園さんも見てくれんだろ?」
「……多分」


悠音は優しいから。
ちょっと活躍したら、家でめちゃくちゃ甘やかしてくれる。
満面の笑みで、わさわさって俺の頭撫でてくれて。
……それすらもかわいくて仕方ない。


……あーあ、悠音、英語助けて欲しいなー。


そんな思いも虚しく、授業の始まり、がっつりの睡眠。
当てられたことすら気づかず、隣の女子に肩を突かれた。赤い顔が視界に入ってちょっと鬱陶しいなって。


黒板を見て、たまたま昨日、悠音が予習してた問題で答えられたけど、その時チラッと見えた悠音はなんだか寂しそうで。
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