愛が重くて何が悪い!
……もう絶対寝ない。


授業が終わってすぐに悠音からメッセージ。


『スマホ貸して』


さっきの女子から連絡くるかもしれないのが、イヤなんだと思う。
俺は机の中にスマホを入れると、さっさと教室を出た。


次は体育で移動教室だから、悠音は1人になるまで残って、持っていくだろって思ったから。


それにしても、うちの子可愛い。
やきもち、妬かせたくはないけど。妬いてくれるのはめちゃくちゃ嬉しい。
重いの、俺だけじゃないんだって思える。


「バレー部のアタック、期待してるな」


と、満面の笑み、拓海。
俺的には悠音が見てないとやる意味ないんだけどさ。


それでも拓海は体育ガチ勢だから、仕方ないから協力。
試合が始まって早々に、バンバンあげられるトスにバンバン打ち込むしかない状況。
試合待ちの女子たちがオーディエンスを作っている。
悲鳴、歓声……うるさい。


隣のコートでは俺と同じようにオーディエンスを取り巻く運動神経抜群の彼女が点を決めまくってる。
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