愛が重くて何が悪い!
リビングに入ってすぐに璃汰は私の手を引いた。さっきと同じ不機嫌な顔。


「あ、そういえば……えっと……はい、どうぞ」


カバンを漁って、ちょっとしわのよった手紙を璃汰に渡す。
朝は電車一本ずらして行ってるからね。
朝から下駄箱に入っているコレを見てすぐに璃汰に連絡した。
私が連絡するより先に璃汰がこのこと知っちゃうと家帰ってすぐに泣いちゃうから。
しかも手紙もちゃんと自分で処分しないと気が済まない徹底ぶり。うん、そういうとこも可愛い。……私も人のこと言えない。


「ん。いい子」


璃汰はニコッと笑ってそう言って中身が入ってることを確認すると、シュレッダーにかけた。
かっこいい顔だよなぁほんと。


なんか、わかるかな。塩顔?
目が奥二重で切れ長だけど大きくて、唇薄くて、色白でしょ?それで小顔。サラサラ髪。
割と爽やかな印象だけど喋らなきゃふわふわした感じの雰囲気漂ってるよね。


「今日の夕ご飯はビーフシチュー作ったよ」
「ほんと?すごいいい匂いだね」


璃汰は料理がうまい。
かっこよくて、家庭的な男の子がモテないはずがない。
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