愛が重くて何が悪い!
ゆっくり歩みを進めて更衣室について一応ノック。今日は全員が参加してるから誰かいるってことはないだろうけど……。


思った通り返事は返ってこない。
恐る恐る扉を開いて更衣室に入ると、扉の重さに負けて視界が揺らぐ。


やば……い。


視界が傾いて、床に膝が落ちた。
これじゃ、璃汰が心配しちゃう……。
……やきもち妬いて、心配なんか、してくれないかな?そんなの、やだよ。


ふわりと、柔らかい匂いを感じた。
私の好きな匂い。


「……悠音、大丈夫?」


倒れる寸前、私を抱きとめてくれたのは璃汰だった。


「……り、た」
「よかった、倒れる前に間に合って……。
薬、飲む?俺予備持ってるよ?」



優しい、璃汰の声。


「……やきもち、妬いてないの?」
「へ……?悠音がそれどころじゃないのに妬いてられないんだけど……」
「ふぇ……」


心配そうな顔で私を覗き込む璃汰。
安心して涙が出てくる。
璃汰が私のことかまってくれるって言う、そう言う安心。
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