愛が重くて何が悪い!
「ゆ、悠音?泣かないで?そんな痛い?迎えに来てもらう?」


それは、私だけ?
璃汰はまだ部活?
璃汰は帰ってくれないの?
それなら、璃汰から離れたくない。
今離れるのは、キツすぎる……。

私は璃汰の首に腕を回してギュッと抱きつく。


「やだ、離れないで……」
「ん、わかった」


練習とか、あるのに。
部活終わったらみんな、ここに来るのに。
なのに私、璃汰から離れたくなくて。


「保健室、行こっか。あったまろ?」
「……みんなに、付き合ってるのバレちゃう」
「言い訳したらいいよ」


璃汰は私にキスを落とすと抱き上げて、男子更衣室を出た。幸い、出たとこには誰もいないっぽい。
力も入んないし、頭が重い。
璃汰に体を預けて、項垂れる。


……なんか、ちょっとだけ正気に戻った。
離れたくないとか……勝手すぎたよね、私。
練習中なのに。


何してんだろ、私。


保健室に着くと誰もいなくて璃汰は私をベッドに寝かすと、頭を撫でる。
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