触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




肩からずり落ちてゆっくり着地したのは奈那の膝の上。
膝枕ゲット〜!
今逃したら一生味わえないかも…的な!?
かなり怪しくどさくさに紛れてみた。
もはやバレてるパターン…!?




スヤスヤと寝てるフリ。
読んでた本ごと上にあげてフリーズしちゃってるけど再び読み始めた様子。
受け入れてくれた……?ホッ。
被ってたキャップ帽を脱がしてくれるなんて気が利く〜!




どれくらい時間が経っただろうか。
何かガッツリ寝ちゃった気がする。
ビクッとしてゆっくり起き上がると優しく微笑む瞳と合う。




「ごめん……占領してた」




周りにチラホラ人も増えていてあれから1時間は経っていた。
目線は本に向いていながら「大丈夫だよ」ってどんだけデキる女なの?
邪魔してばっかだ、俺。
わざとだけどやり過ぎだな。




「邪魔なら起こしてくれて良かったのに」




目線だけで文章を追っている伏し目がちなアングルもただただ綺麗。
気を抜いたらまた見惚れてしまう。




「邪魔じゃないよ?ちょっと予想外でドキドキしちゃったけどね」




「え……?」




思わず顔を向けたら本から離れてやっと目が合って………




忘れてた………
ここは2人掛けソファーだから距離が近いってこと。




「いい意味で緊張感あっておかげで眠くならずに済んだよ、ありがとう」




その後の笑顔とか全部持ってかれんだろ、全く。
相変わらず俺は弄ばれてるね。
一気に心拍数上げられちゃうから。
だからたまにはこっちも仕返ししなきゃ割に合わないと思うんだよね。




「じゃあ緊張ついでにこういうこともしとく?」




ギュッと手を握り恋人繋ぎしてみせる。
寝ぼけてるフリはもう誤魔化しキツいかな?







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