触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
気まずいまま部屋に引きこもってて
挙げ句の果てこんな姿見られて……
嗚呼、今すぐ泡となり消えてしまいたい。
何でこのタイミングなんだよ。
本当今日ヤダ……最悪だ。
奈那に一番見られたくないやつだし。
「メール、したよ?」
「えっ!?」
携帯を確認したら本当にきてた……
純太の後にわりとすぐ……
(起きてる?)って。
ヘッドホンなんかつけるからメールにも気付かないでバカだ。
「返事ないけど部屋の電気ついてたから起きてはいるのかな?って……ノックも一応したんだけど」
「はい……すみません」
それすら気付かないで動画見てました。
本当クズ野郎です。
「今日、キスしたからムラムラしちゃったの?」
びっくりして思わず奈那を見た。
こっち見ないまま俯いてる。
「いや、そうじゃないし……キスもしてないから」
「……してたように見えたけど」
「おでこぶつけただけ」
「……でもムラムラしちゃったから見てたんでしょ?」
「断じて言う…!それはない…!!」
お願いだから荒んだ目で見ないで。
奈那に軽蔑されるくらいならこの舌噛み切る…!!
「そんなの……勉強しなくていいじゃん」
「え……?」
「わざわざプロの観て、誰とどこで実践するの?そんなのしないでよ……」
もしかして……こういう行為を桜井さんとする為に俺が勉強してるとでも!?
それをするなって……こと!?
「してないよ……これはその、ただの好奇心と言いますか……えっと、俺は何を言ってんだ?」
しどろもどろで自分の語彙力を嘆く。
とりあえず謝るという行為を何度繰り返しただろうか。
好きな相手に見られるほど辱めはない。