触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
「俺が……いつまで経っても………奈那を想ってるから、とっくに嫌気さされてんだひよりちゃんには。シスコンこじらせちゃってる男に興味はないらしい」
自虐的発言も甚だしい。
1日の最後で本当ツイてない。
こんな告白の仕方…超絶ダサいじゃんか。
顔も見れず俯く俺を再び奈那の手が頬を包む。
「本当に付き合ってないの…?」
膝をついて立つから少しだけ俺が見上げる形に。
「うん……騙してた、ごめん」
「じゃあキスもその先もしてないのね?」
「うん……」
「良かった……」
「うわっ…!」
そのまま奈那は俺の首に手を回し抱きついてきた。
ヤバいっ…!胸当たってるから…!
シャンプーの匂いもして柔らかい身体が俺の五感全てを刺激する。
これは太もも抓らないと正気を保てない…!!
顔を上げるからかなりの至近距離で目が合う。
この展開は本気でヤバいやつだ。
こんな時の奈那は平気で女の顔するし、ボディータッチ半端ないし、
無意識に俺を野獣にさせる。
学習するんだ俺…!!騙されるな…!!
「じゃあ私が…ファーストキス奪ってもいい?」
「え……」
これは……どういう展開!?
頭が真っ白になる。
ただひとつだけわかることと言えば
奈那の瞳が真剣だってこと。
嘘がない、そんな熱い視線。
「もしかしてひよりちゃん以外でもう済ませてあるとかじゃないよね?」
「えっ!?」
「あー!そうなの!?」
いきなり動揺することぶっ込んでくるから頭がついてこないだけで。
ひよりちゃん以外で済ませるっていつ俺にそんな暇あったよ。
また泣きそうになってる。