触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
チカさんの声がそう聞こえてきたけど笑顔のごめんなさいポーズでわかってくれるかな?
今日なんて図書室開いてるわけないじゃん。
鍵借りて入ってるんだろ?
後のことは純太たちに任せた…!
チャンスは与えたからな!!
俺もこの絶好のチャンス逃したくないんだ…!
走って図書室に向かう。
ちょうど鍵を開けて入ろうとしてる時に遭遇。
間に合った。
よし、先生ついてきてない。
閉めようとしてるドアに食らいついた。
「ヒャッ!え、ヒロ…!?びっくりした〜」
本気でビビってる奈那もレアかも。
「1人…?」
「うん、ごめんね?すぐ終わるから」
「返し忘れてたんだ?」
「そうなの、カバンの奥で見つけてマジでビビった」
ていうか、忘れてくれてて有り難い。
抜かりなく鍵を閉めた。
慌てて本を返し終えた奈那に詰め寄る。
「ん…?なに?えーっと、ヒロ…?」
目が泳いでる。
あれ…?動揺してる…?
「お昼食べに行こう?あ、今日はサイ○リヤとか良いかもね?」
無視してジリジリ詰め寄る。
俺の目、見てる?
少しでも雰囲気違ったら察してくれるじゃん。
今も気付いてくれてる?
本棚まで詰め寄れば勢いに任せて唇を重ねた。
「ちょっ…ヒロ!?学校じゃダメだって…」
ほんの少し抵抗する腕は掴んで止めた。
「鍵閉めたよ…?」
「だからって…っ」
あぁ…もう黙って。
とにかくキスしたいんだ。
強引に塞いだら目がトロンとなっちゃった。
この目が好きだ。
押し倒したくなる。
「お家まで我慢してよ…」
「こんなチャンス滅多にないじゃん」
再びキスしようとしたら横向かれる。
「チカたち待たせてるから…」
「純太たちと先に向かわせたよ」
「え…?でも、ここはダメ……」
「それ、その目で言うの?」
「だってそれは……ヒロがこんなキスするから……」
「ねぇ、奈那……ここでするとか、興奮しない?」
戸惑う表情。
掴んでた腕が降りて手が離れる。
耳まで真っ赤な奈那が真っ直ぐこっちを見上げたからこっちも多少身構えた。
「………する」
言ってすぐ目を逸らしちゃうの?
何それ……めちゃくちゃ可愛い。
恥ずかしいこと言ってるって自覚したの?
もう歯止め効きそうにもない。