触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
「バイトしてる姿も何か新鮮で格好良かったよ」
「急に来るんだもん、びっくりした」
「え、だって制服姿見たいじゃん…」
「エヘヘ」
「通いつめてるって子も居たよ?話してるの聞こえてきた」
「え?そうなの?それ俺じゃなくてチーフ目当てなんじゃない?大人〜って感じで男から見ても格好良いもん…イテテ」
何で急にほっぺ抓るの!?
「ちゃんと名札見て末永さんって言ってたもん」
「ご、ごめん…!」
「見に来て正解……」
「奈那だってナンパされてたぁ…!」
抓られたところをさすりながら言ったら
「ヒロは私のなの…!」って両手で頬を挟まれた。
潮風に包まれて日も落ちた頃。
今の今まで怒ってたのに表情が一気に変わる。
風で髪が唇にかかるのを除けてあげた。
「そんな可愛いこと言ったら抑えきれなくなるだろ…」
俺だって奈那しか居ないんだから。
全部が愛しい。
「帰るまで我慢出来なくてごめん…」
だから上目遣いダメなんだって…!
爆発しそう…!
もう周りの目とか気にしてられない。
今すぐキスしたい。
このまま……2人きりになりたい。
「奈那……好き……好きだよ」
握りしめる手。
熱い視線……近付く唇。
独り占めしたい……奈那を。
「私も好きだよ……ヒロが好き」
優しく重なった唇はなかなか離れない。
何度も何度も求めてしまう。
終わりなんか来なければいい。
ギュッと腰近くを握る小さな手。
何もかもが俺を熱くさせる。
後頭部を支えながら奈那を味わう。
離れたくない……離したくない。
誰に見られようと今の奈那とキスしていたい。
止まらなくさせたのそっちだからね。
ていうか奈那を目の前にして我慢する方が無理。
グッと押してくる。
奈那からキブの合図。
まだ………まだだよ。
俺はギブアップじゃない。
離れてもあの瞳してるくせに。
それ、余計煽るだけだから。
プハッ……と離れた唇。
色っぽい表情。
「ヒロ……もう無理…!」