触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
ダーーー!!
耳まで真っ赤だぞコレは。
人前で何やっちゃってんの…!!
めっちゃ見られてたよ今。
昨日のUSJ内のキスといい、ここでもこんなことしちゃって日に日に大胆になってる気が……
ていうか俺の反応楽しんでるよね?
チラッと見たらもう笑ってない。
あれ…?
「今のは……見せつけ」
「え…?」
こっち向いて真っ直ぐ俺を見るから身構えるけど、頬杖ついたままの奈那は少し怒ってて…?
「だって、ヒロのこと可愛いとか言うから…」
「え……誰が!?」
「さっき居た女の子たち…」
もう居ないみたいだけどそれって……
「ヒロのこと狙ってそうだったから見せつけといた…」
あ、ヤベ……と顔を覆う。
あのさ、それ…無意識なの!?
無自覚!?天然!?いや、わざと!?
どれだけ鷲掴みにするの……
顔を覆ったままギュッと手を握る。
「ねぇ、一緒に居るのに付き合ってるって思われないのかな?私そんなに姉っぽい?保護者じゃないっつーの、彼女だよ」
「奈那……もうやめて」
今そっち見れない。
「ヒロの彼女だってば……」
拗ねてるのはわかってる。
俯いて……口尖らせて、足ブラブラさせて。
俺だってそんな声たくさん聞いて、正直うんざりしてて……それでもなるべく顔に出さないよう努力してきた。
なのに奈那はこんなに感情を剥き出しにして怒るんだ……
「ねぇ、ヒロ…何で顔隠してるの?」
「もうちょっと待って…」
今そっち見ると何かとヤバい。
押し倒しそう……
「そうだ、キャップ帽買おうよ」
「え、何で…?」
「あ、やっと顔見れた」
しまった、普通に手を降ろしてしまった。
急に笑顔とかやっぱ心臓に悪い。
胸キュンが大渋滞だ……
ていうか何でキャップ!?
「だって今日のヒロ…昨日より格好良いもん、あんま他の女の子に見られたくない」
ちょっと待って…!
それはこっちのセリフ…!!
真顔で言うとかズルい…!!
「じゃあ奈那も買ってお揃いにしようよ?俺だって他の野郎に奈那見られたくない」
「じゃ、行こっか」
あれ、機嫌直ったみたい。
そうか、奈那はたまにバカップルみたいなことがしたいのかな…?
そういうことにしておこう。