触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「あ、それと充分わかってるとは思うけど生はダメだからね?妊娠してる私が言うのも何だけど」




「わ、わかってるってば…!」




2人して真っ赤になりながら答える。




「祐翔くん、奈那のこと宜しくお願いします」




「ちょ、何か結婚みたいな話になってんじゃん」って急に慌て出す奈那に、俺と涼子さんは「違うの?」と初めて声が被った。




「え……」




もう茹でタコ状態だ。
次は俺と涼子さんでクスクス笑う。




「さっきの奈那の涙はそう言ってるようなもんでしょ?違ったの?」




涼子さんに詰め寄られて言い返せないでいる奈那もレアだな。
視線はそのまま俺に移って「そうなの…?」と確認してきた。
えっと、これは涼子さんの前で言うの?
めちゃくちゃこっちを見る目がキラキラしている気が……




「俺は最初からそのつもりだよ……っていうかそう言ったじゃん、恥ずかしいからあんま言わせないでよ」




体温上がる……あっつい!!




「ラブラブじゃ〜ん!まぁ、でもあなたたちもう少し気をつけないと今に聡志さんにもバレるわよ?この前公園で会ったんでしょ?幸い鈍感だから気付いてないみたいだけど〜」




「はい……気を付けます」




「ま、まだ聡志さんには内緒にしてた方が良いかもね?何かとお互いやりにくいだろうし。あ、やりにくいってあっちの方じゃないよ!」




「わかってるってば…!」




嗚呼……もうこの母娘、がっつりオープンに話してるじゃん。
友達みたいだな。
一番近い存在だからお見通しなのかも。




「まぁ何かあったら真っ先に相談すること。万が一別れを決断しても家族でいることは変わらないでいてね?」




「だから別れないってば」




「あの、俺たちって普通に結婚出来るんですか?その、戸籍上どうなるのかなって……こんなこと誰にも聞けなくて」




「大丈夫よ、連れ子同士の結婚は特別措置で認められてるの。離縁手続きとかしなくていいんだって、血縁関係ないから問題なし!」




それを聞けてホッとした。
奈那と見つめ合って照れ笑い。




「何か言われても血は繫がってないんだから堂々としてなさい」




何とも心強い重みのある言葉だ。
反対されると思っていたから………






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