触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
「え?ヒロ、泣いてるの!?」
肩が震える。
押し殺しても漏れる嗚咽。
何かホッとしたと同時にこみ上げてきた。
慌ててティッシュ渡されたり、
奈那が背中をさすってくれる。
クソっ……泣くつもりなんてなかったのに。
鼻水垂らして泣きながら俺は涼子さんに言った。
「絶対に幸せにします……反対しないでくれてありがとうございます…ありがとうございます…」
何度も頭を下げた。
そんな俺を抱き寄せる奈那の腕。
髪を撫でながら
「ね?可愛いでしょ?」って涼子さんに言ってる……恥ずかしい。
「安心したわ、祐翔くんなら任せられそう」
ずっと不安に思ってたことがまた涼子さんで救われた気がした。
大好きな奈那の母親に認めてもらえたことが何より嬉しくて嗚咽が止まらない。
落ち着くまでずっとさすってくれていた奈那にありがとうと言った。
部屋に戻り、ベットに横たわる俺に熱く蒸らしたタオルを持って来てくれた奈那。
目頭に当ててくれて気持ち良い。
「まさか号泣してくれるとか思わなかった」
近くで声だけがする。
「うん……俺が一番びっくりしてる」
「アハハ…」
「だって反対されるもんだって思ってたから」
「ママだけは騙せなかったね…」
「だね?お見通しだ…」
フワッと髪に手が触れてる。
奈那が撫でてくれてるんだな。
それだけで落ち着く。
その細い腕を手探りで掴む。
身体を少し起こしたらタオルは落ちたけどしっかり視線はクギツケたまま……
「さっき言ったこと…本気だから。絶対に幸せにするから…俺以外見ないでね?大学行っても…どんなに言い寄られて来ても俺以外選ばないで…」
潤んだ瞳にすがるように言ってしまった。
やっぱりモテるから俺の知らないところでたくさん声かけられたりするんだろうなって思ったらこの手掴んでおきたくて……
「アハ、まだ目真っ赤だよ?」
反対側の手が頬に触れてる。
優しい眼差し。
何も言わないでいたら奈那の方から軽くキスされた。
「私の話聞いてた?ヒロ以外無理って言ったじゃん…」
「うん……」
「ちゃんと週末会いに来るよ」