触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
最後だ…と思って心の準備したのに
押し倒すように上乗りになるから思わず後ろに手をついた。
「わっ…!」
「エヘヘ、やっぱこうしちゃう」
小悪魔スマイル可愛過ぎかっ…!!
最後だからといって一番激しいのキターーー!!
骨抜きーーー!!
当たっちゃうーーー!!
ヤバいーーー!!
「奈那……もう」
「え、もう!?」
「うぅ……」
面目ない……当たってるの気付いてるくせに。
そっと膝で立ち上がり俺を見降ろす視線。
「今日はやめとこうね?バレたとこだし」
静かに頷くと両方の頬を優しく抓まれて。
「1人で抜いたらダメだよ」ってドS発言。
抜かない、と首を振る。
「ヤバ…可愛い」
それは奈那の方です。
名残惜しく離れる身体。
落ちたタオルを渡されて。
「まだもう少し当ててた方が良いよ?」
「わかった」
「じゃ、行くね…」
バイバイ、と明るく手を振る奈那が出て行った後に悶絶する俺。
この世で最大に疎ましいもの……
それは“寸止め”だ…!!
収まれ…!収まれ…!!
今は我慢の時だ……!!
枕に伏せても脳裏に浮かぶあの感触。
あの絡み方。
ダメだ、全然頭から消えねぇ…!
奈那の息遣い……柔らかい唇………
今までに何度も押し倒してキスしたことがあった。
でもまだ不慣れで上手く出来なくて、自分でも下手だなって思ってたら……
そうじゃないよ…って奈那がリードしてくれて。
奈那が絡ませれば格段に気持ち良くなって……たまに落ち込むけど。
どんなキスの後でも「まだ欲しい…」って言ってくれて自信を取り戻させてくれる。
あ、ヤバ……結局キスのことばっか考えてる…!
消えろ…!欲望の塊…!
収まれ…!!
嗚呼、男ってバカな生き物だよな。
自分が情けない。
奈那が頭から離れないよぉ………