触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
あれから毎日顔は見てるけど会えない日々が続いてる。
隣の県に一泊研修とか寂し過ぎる……
看護科だけだから女子ばっかだよ〜って言ってくれて安心はしてるけど、研修中は連絡取れない。
イコール、テレビ電話もナシ。
たった1日繋がらないだけでこんなに不安になるんだ……
時々送ってくる写メで癒やされていた。
講義を受ける前や泊まる旅館の前で友達とのショット。
足湯をしてる短い動画での奈那、可愛かったな。
今日初めての声、ちょっとだけ聞けて満足。
こないだの生々しいシーンが脳裏に蘇る。
奈那の囁きがまだ耳に残ってるから1人で居る時は何かとヤバい。
すぐ脳内再生しちゃうから。
だから誤魔化す為に爆音でロック聴いたりして。
ふとした時にやっぱり寂しさは募って、つい撮りだめした写メ見たりしてる。
とっておきの動画もね。
早く会いたいなぁ。
今頃何してんだろう…?
少し早めの7時代。
リビングで寛いでいたら奈那から電話がかかってきて慌てて部屋に戻った。
えっ!?電話出来るの!?
わっ!待ってましたテレビ電話っ!!
画面に映った奈那を見た時、心臓が飛び跳ねた。
「え、奈那……それ」
少し携帯を遠ざけてくれて上半身映るように見せてくれる。
「えっと、見えるかな?エヘヘ、旅館の浴衣着ちゃいました」
か、可愛い…!!
髪もアップにしてて似合ってる。
嗚呼、抱きしめたい…!!
「可愛い」と言うと照れ笑い。
ずっと胸がキュンキュンしてる。
「今から温泉入るんだけど皆に先行ってもらった瞬間にかけてみた」
うんうん、何言ってもフワフワして頬が赤らんでいるのが自分でもわかる。
「大丈夫?ニヤニヤしてるけど」
「だって奈那が可愛過ぎるから…それに声聴けて嬉しい」
あ、照れてる照れてる。
「恥ずかしいからやめて」って満更でもないよね?
「本当時間なくてごめんね?すぐ行かなきゃだからあまり話せないけど、私もちゃんと顔見たかったから」
何してたの?ってずっと奈那のこと考えてたよ。
勉強してる?ってまた奈那に教えてもらいたいな。
早く会いたいねって同じこと思っててくれて嬉しい。
「凄い好き……」
吐息混じりに言ってくれた一言が活力になる。
「俺も好き……凄い好き」
甘い時間は余韻を与えてはくれず、違う部屋から温泉への誘いかな?
「3班もう行った〜?」という声が聞こえてきてめっちゃ慌ててる奈那も可愛かった。
「ごめん、もう切るね?おやすみ…!」
画面越しにチュッてしてくれてバイバイなんてヤバ過ぎる。
何でそんな自然と煽ってくるの!?
これだから小悪魔は。
でも超絶幸せ。
ほんの数分でこんなに気分が上がる。
あと1週間と1日…!!
頑張らねば…!!