触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
もしわざと見て見ぬフリをしたんなら、やっぱりどこかで反対なのかな…って勇気出せずにも居る。
俺にとっては一番許して欲しい人だから。
反対されたら俺……どうするべきなのかな。
「ヒロのタイミングで良いよ…?」
「えっ…!?」
「ヒロが今だ…!って思った時が言い時なんだと思う」
「でも……」
「反対されたらって…?その時は2人でちゃんと考えよ?悩んでたって前に進めないし…この先どうなるかは私たち次第だと思うんだ」
何でこんなに進むべき道を照らしてくれるんだろう……
大丈夫だよって背中押してくれる。
「すごい自信……」
「自信なんてないよ〜?でも私が本気かどうかは伝える自信ある。そこで反対されたらちゃんとその意見は聞くべきだと思うし何か別の道が開けるかも知れない…逆の発想っての?長い人生において必要だと思わない!?」
びっくりして返事出来なかった。
当たり前だけど俺より全然大人だ……
ギュッと手を握りながら
「ね?楽しいよ?逆に燃えちゃうよ〜?」って楽しそうに笑う。
自分に足りないものハッキリさせられた。
「奈那、ありがとう」
「エヘヘ、タイミングは任せるけど絶対に一緒に居る時にね?」
「うん、わかった」
ちゃんと俺と親父のこと考えて言ってくれたのがめちゃくちゃ嬉しい。
でも俺、タイミング悪いとこあるから大丈夫かな…!?
え、今ここで言う!?とか思われたらどうしよう。
チラッと見ると優しい眼差し。
それ見ただけで心が洗われる。
本当、癒やし。
心底頑張らなきゃなって……
俺が幸せにしなきゃって奮い立たせてくれる。
「大丈夫だよ、いつどのタイミングで言ったって私は覚悟出来てる。ヒロの隣に居るから……ヒロの手離さないから」
まだ足りないのは、俺の覚悟…!?
いや、両親を納得させられるだけのベースがまだ未完成なせいだ。
遊びなんかじゃないって口では言えても、証明する術がない。
どうやって奈那を幸せにするんだ?
支えていけるのか?
親父ならきっとそう言うだろう。
綺麗事並べて熱弁してもすぐには首を縦に振らないのもわかってる。
これからの俺を見ててくれと言っても理解してもらえるだろうか。