触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
ん…………!?
なに…………!?
薄っすら目を開けるとぼやけた世界。
徐々にピントが合ってきて目の前に大好きな奈那の顔。
「寝てたの…?」
甘い声……心地良い響き。
この声のトーンも好き。
そっか、俺寝てたのか。
迎えに行って、ご飯食べて、
奈那がお風呂入ってるうちに部屋のソファーで寝落ちしちゃってたんだ。
しかも座ったまま。
「うん……ごめん、寝てた」
「今朝、早かったもんね」
えっと、もう皆寝たのかな…?
今何時…?って身動き出来ない。
奈那が乗ってきたから。
ヤバ……お風呂上がりの良い匂い。
え、しかもTシャツの下……素足だよ?
ホットパンツ……履いてない?
もしかして……夢っ!?
「寝ぼけてる…?」
夢なら覚めないで………
このまま襲いたい。
ひと足早く夢の中で………
あんなことや……こんなこと……
腰を下ろした奈那。
あまりにもリアルに触れてる。
「あっ……」
あれ?やっぱ夢じゃない!?
奈那の身体がいつに増して火照ってる……
お風呂上がりのせい?
だとしてもリアル過ぎる………
真っ直ぐ見つめ合うその瞳も……
ピンク色に染まった頬も……潤った唇も。
全部、リアルだ。
「夢かと思った……」
「夢…?夢見てたの?」
「ん……目開けたら奈那が居るとか幸せ過ぎて夢だ〜って」
まだボーッとするけど当たってるから……
ねぇ、わざとなの!?
また俺の反応見て笑う…?
「良い夢だった?」
「うん……」
あっ…!動かないで…!
めっちゃ密着してる…!
顔近い……キスかな。
この状況でされたらもう………
「じゃあ、まだ夢見てて……」
え、目隠し!?
そう言って片手で両目を隠された瞬間。
唇が重なって……侵入してくる。
視覚を遮られたら余計に感じてしまう。
欲しくて…欲しくて堪らなくなる。
リップ音が徐々に激しくなっていく。
ヤバいと思えば離れる。
え……終わらないで。
クスッと笑う声。
「まだ欲しい?」ってわかってるくせに。
頷いただけで「可愛い」と言われすぐに与えてくれる。