触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




しない日に限っていつも、リアルな夢を見る。
あの大好きな心地良い匂いに包まれて身体がフワフワするんだ。




ねぇ、ヒロ……起きて




遠くでそんな声がする。
柔らかいものが唇や身体に触れてきたりして思い出す。
嗚呼……俺、また奈那の夢見てる。
頭の中のエチエチな部分が大半を占めてるからなのかな。




乗られてる感覚までリアル。
起きてよ……って距離も近くなる。
ゆっくり瞼を開けたら見えるのは代わり映えのない部屋の天井でやっぱり夢じゃんと思う。
だったらまだ目を閉じて夢の続きが見たい。




起きないとキスしちゃうよ………




うわ〜リアル。
うんうん、奈那ってそういうこと言うもん。
じゃあ、キスお願いします。
昨日お預け食らったので。




ん…?昨日…!?




柔らかく触れる感触は……唇!?
顔にかかってるのは俺とは全然違う細い髪質。
え……!?




チュッチュッと触れるだけのキスが何度も降り注ぐ。
ちょっと待って……上半身に感じる柔らかい身体。
俺の中心も完全に起きてる。
当たっちゃってる…!




ぼやけた世界にゆっくりピントが合ってきて……大好きな奈那と視線が重なる。
エヘって小悪魔な笑み。
べったり身体くっつけて「おはよう」って鼻を指でチョンされた。




現実……だよね?
昨日からこっち戻って来てるもんね。




「おはよう……あ、大丈夫?身体」




「うん、ヒロがお水飲ませてくれたから大丈夫」




「アハ、覚えてるの?」




少し身体を起こす。
そしたらまたチュッて触れるから拒否。
それ以上はダメ、寝起きだし。




「顔洗って来る…」




「え、それで行くの…?」




ゆっくり離れて中心に目がいく2人。
ヤバい……これ、なかなか収まらないやつだ。
朝一番は致し方ないのです。
両手で隠しても遅いけど。
クスクス笑う奈那に背中を丸くする。




「誰かさんがあんな起こし方するから…」




「はい、これ飲んで」




枕元に置いてあったペットボトル。
奈那が持って来てくれたのかな?
って自分が飲んでんじゃん…!
え…!?ウソ……これはまさかの……!?




首をロックオンされて唇が重なる。
足の間に膝をついて腰を下ろした。
今度は奈那からの口移し。
美味しい……おかわりください。
喉を鳴らして味わう。
その後ゆっくり舌が入ってきて………







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