触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




え……!?




一瞬重なった唇。
こっちを見たまま俺を試してる…?




「覚えてないの…?ヒロにされちゃったんだけどな」




「あっ…!あの時の…!?」




そう言われて瞬時に脳に蘇った記憶。
あれは奈那の最初の大学祭の時だ。
抑えきれずに思わずしてしまったやつ。
しかも歩きながら。
全然周り見えてなかった時のだ。
うぅ……恥ずかしい。




「だから、仕返し」




あの、どこまで可愛いんですか?
信号待ちでそれしちゃうとか不意打ち過ぎて胸キュンです。




普通にデートとかするのも良いけど、こうして少し目立ちながらも堂々と迎えに来てくれたりとか、不意に見せつけてくれるのは単純に嬉しい。




親に認めてもらってからは大胆過ぎる傾向も見受けられるが。
そんなのお構いなしなのが奈那だよね。




実家に着いて車庫入れもお手のもの。
今はまだ寮生活だから就職先が決まって一人暮らしするまではここに車置いておくみたい。




手を繋いで入っていく。
瑛莉ちゃんは保育園だし、涼子さんも職場復帰している。
つまり、2人きりなわけで……互いにヤバい状況。




数日前もしたばっかなのに、会えばもう触れたくなる。
まだ時間はたっぷりあるのに入った瞬間、玄関で求め合ってしまう。
待てない2人。




「ここでしちゃう…?」とか可愛く聞いてくるんだ。
誰も居ない空間だからより大胆になる。
ヒールを履いた片足を持ち上げて弱い部分を攻め立てる。




「態勢キツくない?」




「大丈夫だよ……」




繋がればもう抑えるの難しいけど。
一度抜いて見つめ合う。
今でも充分気持ち良いって言ってくれるけど、もう知っちゃったから。
再び繋がった時に思わず漏れた声。




「奈那はこっちの角度が好きだよね…?」




眉をハの字にして反応してる。
この色っぽい視線が悶えていく様が一番好きな仕草だ。
自ら手で口を押さえてる。




「ダメ……声出ちゃう」




「誰も居ないよ」




「待って……それすぐいっちゃうから」




「ごめん、待てない……俺もヤバい」




果てる前の奈那の中はより締め付けてくるからかなり踏ん張らないとこっちが先に果ててしまう。






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